ラビング膜評価例1


  1. はじめに
      ガラス基板上に塗布された配向膜(一般にポリイミド膜)をラビングして得られる基板が,液晶を一様に配向させるために用いられています.しかし,このラビングの効果を定量的に評価することは,非常に困難です.その中で,複屈折量の測定によるラビング膜の評価方法が取り上げられています.そこで,ここでは複屈折を用いたラビングの効果について調べた結果を紹介します.


  2. 試料の作成方法
      この実験では,2種類の配向膜材料及び膜厚の試料を用意しました.ラビング方法には直角/斜めラビングがありますが,今回は直角ラビング方法により,テーブル速度,押込量をパラメータにして試料を作成しました.rubmeth

    • 試料 :
      ガラス基板   : 材質 サイズ, 厚さ ; 20 x 25 mm, 1.1 mm
      配向膜         : スピンナー塗布膜厚 ; 1000, 200 Å
      配向膜材料 : A1 ;脂環式ポリアミド(可溶性ポリイミドに近い) 焼成200℃, 60 min.
                              A2 ;芳香族ポリアミド(ポリアミック酸) 焼成250℃, 60 min.
    • ラビング条件 :
      テーブル速度 :10,20,60,120 mm / sec.
      押込量             :0.3.0.5,0.7 mm
      パス回数          :1回
      基板角度         :0゜
      ロール本数, 径, 回転数, 回転方向, 角度 : 1本, 148 mmφ, 500 rpm, 正回転, 0゜

  3. 評価方法
      評価すべきポイントを中心に測定領域を設定しました(今回は3 x 3 mm),測定レーザービームは,その領域をステップ状に走査(今回は16ポイント)され,リターデーションRe,遅相軸方位角Φが測定されます.(実際には,XYステージ走査)mesmeth 測定から得られたリターデーションRe及び遅相軸方位角Φより
    (1) リターデーションの平均値Re(x)
    (2) 遅相軸方位角Φの標準偏差(3σ)
    を求め,ラビングの効果を定量的に評価します.


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