ラビング膜評価例5


  • リターデーションのうねりの観察
      本実験中に,特定のラビング条件の下では,リターデーションの分布に周期的な変化が生じることが観察されました.下図は,その様子を示したものです.リターデーションの大きさは,黄色い棒の高さとして表わされています.リターデーションが,一方向に周期的な変化をしていることが分かります. このリターデーションの周期的な変化をここでは「うねり」と呼ぶことにします.このうねりは,試料を0.2 mm程度の間隔で動かしながら複屈折を測定したときに観察されました.うねりの発生原因や,ラビングの良否の判断基準となりえるかどうかといったことは,まだ正確にはわかっていません. しかし,このうねりの状態とディスプレイの表示特性とは,なんらかの相関があるはずだ,という方もおります.また,この様な現象は,ABR-10Aでのみ得られた結果で,他社の測定器では得られませんでした.ABR-10Aでの測定再現性は良好であることが確認されておりますので,測定分解能の差であると結論づけられると考えます.

uneri 以下の4つの表は,ラビングの強さとうねりのピッチとの関係をまとめたものです.ラビングの条件によって,うねりのピッチに変化することが分かります.

配向膜の厚さ : 1000 Å

配向膜の厚さ : 1000 Å

次のページは,経時変化に関して調べた結果を示します.


 Back                                                                     Next